「自分の感受性ぐらい」
ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
苛立つのを
近親のせいにするな
なにもかも下手だったのはわたくし
初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった
駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性ぐらい
自分で守れ
ばかものよ
茨木のり子
詩集「自分の感受性ぐらい」
1977刊)
ぐっとくる!
世界は鏡🪞
とっちらかってるのは
わたしのこころ
全て ここ か
銀世界に
あらわれる
真っさらで
まっさらな
まっさら