2021年12月29日水曜日






 「自分の感受性ぐらい」


ぱさぱさに乾いてゆく心を


ひとのせいにはするな


みずから水やりを怠っておいて





気難しくなってきたのを


友人のせいにはするな


しなやかさを失ったのはどちらなのか





苛立つのを


近親のせいにするな


なにもかも下手だったのはわたくし





初心消えかかるのを


暮らしのせいにはするな


そもそもが ひよわな志にすぎなかった





駄目なことの一切を


時代のせいにはするな


わずかに光る尊厳の放棄





自分の感受性ぐらい


自分で守れ


ばかものよ


 


茨木のり子

詩集「自分の感受性ぐらい」

1977刊)








ぐっとくる!


世界は鏡🪞


とっちらかってるのは


わたしのこころ


全て ここ か


銀世界に


あらわれる



真っさらで


まっさらな 


まっさら